商業手形割引に関する情報サイト

手形貸付との違い

約束手形を活用して現金を調達する方法には大きく分けると、商業手形割引と手形貸付の二つがあります。約束手形は本来であれば支払期日の到来をまって支払われることになりますが、それ以前のタイミングで現金を手にできる点で共通しています。しかし両者は法的性質は大きく異なります。それでは商業手形割引と貸付にはどのような違いがあるのでしょうか。まず商業手形割引は支払期日前に、銀行などに支払期日前までの日にち分の手数料を控除して、売買して現金化するというものです。約束手形の性質上、不渡りになった時や振出人の信用状態が著しく悪化すると、手形割引の依頼者が買い戻す義務を負うことになります。
これに対して手形貸付は、約束手形を担保にした純然たる金銭消費貸借であって、借主を振出人・銀行などの金融機関を受取人に約束手形を裏書譲渡するという形式をとる訳です。一般の貸し付けと同様に依頼者の信用状態も厳密に審査できる点に商業手形割引との違いがあります。

商業手形割引の意味とは

日本の商取引においては商品を先に納入し、代金を後から支払う仕組みが一般的となっています。その際には帳簿上商品の納入側に売り上げが計上され、入金が発生したことになりますが実際の現金の入金はそこから売買契約に基づいて一定期間の後となるため、その間は売掛が成立し支払いの約束が行われたことになるため、自動的にその債権は商品を納入した側が保有することになるのが一般的です。
商業手形割引はこれを利用し早期に現金を入手することができる方法ですが、その債権の価値は支払いを行う側の信用度や様々な取引の状況などに応じて変化するものとなっており、またその債権に不渡りが出た場合には資金調達側がこれを弁済しなければなりません。約束手形は明確な売買契約がない場合に手形の上でその入金期日を規定し振り出すものとなっていますが、通常の場合とは異なり取引の信憑性が売買契約よりも低下することがあるため、これを商業手形割引に利用する場合には様々なリスクが伴います。この違いを十分に理解し、現金化の際には注意をすることが大切です。